活動紹介

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ポートランド州立大学語学研修 レポート

現地家庭でホームステイをしながら、アメリカ合衆国オレゴン州のポートランドにある州立大学にて英語授業及びフィールドワークを含む選択授業(ポートランド大衆文化・アメリカンビジネスの2 種類から選択)を受講するものです。

同窓会より助成金をお渡しした5名の参加者のレポートを掲載します。

情報システム工学科 2年 吉田 光希さん
生物工学科 2年 寺元 晴香さん
医薬品工学科 2年 林 飛隆
知能ロボット工学科 2年 宮崎 修太朗
機械システム工学科 1年 山崎 敦也

情報システム工学科 2年 吉田 光希

 今回の三週間を通して留学は費用の面を棚に上げると、そんなに障害になるものがないことが分かった。留学に行く前はTOEICを何点以上取れる人間や英検を何級まで持っている人のみが留学する資格を有していると、自分でハードルをあげて留学を難しいものとして扱っていたが、実際のところつたない片言の英語でもボディランゲージを使って会話すれば何とか伝わるのでそんなに恐れるものではないなと感じた。

 また、自分は英語を日本語と同じくらい流ちょうに話せるようになることを目的に勉強していたが、結構難しいと感じたため、普通にお互い会話が成立することを目標にすると、文法を間違ったり、単語を間違えたりしてもそんなに冷やかされないのでそんなに気にする必要がなく、適当に楽しく会話をすることが出来た。もちろん会話をしていても何を言っているのか分からないことはしょっちゅうあるが、特にプライドもへったくれもないので相手に知らない単語を復唱すると分かりやすい英語で説明してくれるのでそんなに困らない。だからといってずっと片言の英語で話せば良いのかと聞かれるとそうでもないと思うので、まずは英語を話すのが慣れてきてから完全にネイティブにはなれないが、近づけるように練習をすればいいと個人的に思った。初めから上手く話そうとするとかなり難しいし、上手く話せないと自分を責める要因になってしまい、せっかく留学しに来たのに自己否定をしてしまうのはもったいないと思う。だから、できるだけハードルを低くしてゆっくり自分なりのペースで英語力を上げていけばいいと感じた。

 最後に留学ではホストファミリーや大学の教員やスタッフとの会話を通して英語力の向上はもちろんのこと、ほかの大学の学生とも交流し仲良くなれることも魅力の一つだと思う。自分は引っ込み思案だが、周りが外交的で乗りの良い人たちが多いのですぐに溶け込むことができたため、内向的な性格でも挑戦できると感じた。

生物工学科 2年 寺元 晴香

 今回の語学研修は初めてのことばかりで、出発前はとても不安でした。海外に行くことだけでなく飛行機に乗ることも初めてでした。私は英語があまり得意ではなくホームステイや授業に関する不安はとても大きかったのですが、それと同じぐらい飛行機での移動も不安でした。富山県立大学からの語学研修の参加者は自分だけだったこともあり、正直出発前には、申し込んだことを後悔していました。ですが、旅行会社の方や事務局の担当の方にいろいろサポートしていただき、なんとかポートランドに到着することができました。到着してホストファミリーと合流し、3週間のホームステイが始まりました。

 英語の勉強はしてから行ったのですが最初は全く聞き取れませんでした。ホストファミリーは私が理解できるようにゆっくり言ったり別の言葉で言い直したりととても優しく接してくれました。また、自分から話しかけることはとても難しかったのですが、勇気を出して声をかけた時にはとても真剣に聞いてくれました。2週間目にはアメリカの生活にも慣れてきてたくさんの友達ができ、授業内での発言も積極的にできるようになりました。ホストファミリーの会話も初めよりは理解できるようになり、英語力の向上を実感しました。ホームパーティーでホストファミリー以外の方が何人か来ることがあったのですが、そこでも自分の言葉で話すことができました。今までだと全く英語に自信がなく、話すときは翻訳などにたよっていましたが、アメリカで生活する中で、何とか頑張って自分の言葉で伝えようとすれば意外と伝わると気づきました。単語だけを並べてみたりしているうちに少しずつ話し方・聴き方がわかるようになりました。授業では会話の練習をして実際に意見を話したり、英語での会話の仕方を学んだり、街に出て文化を体験したりしました。日本で英語の勉強をするのとはまた違った学びがたくさんありました。語学研修が終わるころには日本に帰りたくないと思うぐらい楽しかったです。

 語学研修に参加して、英語の勉強に対するモチベーションが上がりました。もっと英語を勉強してネイティブの人たちとの会話を楽しみたいと思うようになりました。また、将来アメリカに住みたいという気持ちも出てきました。これからは学校の試験や進路のためだけに英語を勉強するのではなく英語圏の人たちとの交流を深めるために英語の勉強をしていきたいです。そして、ネイティブの人たちと交流する機会があれば積極的に参加したいです。

医薬品工学科 2年 林 飛隆

 今回の研修で私は多様な文化や価値観の違いや自分の英会話レベルを知り、魅力的な友人を作ることができた。ポートランド州立大学内での授業や放課後の時間の使い方は日本とは全く異なり、様々なアメリカ文化を経験し、学ぶことができた。

 例えば、アメリカではチップを払わないという行為は侮辱を意味することは知っていたが、5ドルにつき1ドル支払うことは知らなかった。また、アメリカ人は親切で質問に対して下手な英語でも聞こうとしてくれたことは印象に残った。価値観において、私はこの研修を通じて苦手な人の目を見て話すという行為を多少克服できたと思う。アメリカでは人の目を見て話さない人は信用できない人であるという価値観を持っており、その考えは日本と同じであるように感じたため、アイコンタクトを日々の日常から意識していきたい。

 英会話についてはアメリカに着いてホストファザーと初めて会話したときは、発音や表現がうまく伝わらずに意思の疎通が思うようにうまくできなかった。しかしホストファミリーの家で毎日英会話の練習をすることができ、今では多少は相手の発言を聞き取り多少返答できるようになったと思う。得たスキルを使用して英語に関する資格を取得したいというモチベーションにもなった。しかし個人的には3週間は少し短かったので帰国したときも英会話の練習を続けていきたい。

 このプログラムには、他の大学からも多くの人が参加していた。学部も出身地も皆それぞれ異なっていたが休み時間などは雑談をして仲良くなることができた。この研修で会うことができた人たちといつか日本で会いたいと思うほどに交友関係を深めることができた。中には就職活動をしている人や医学部生、大学院進学を控えた方も来ており、今を懸命に努力し、夢に向かっている人達もいた。私もこの研修で出会い、努力している友人達に対して恥ずかしくならないように日々の学習や自己啓発に努めたい。

知能ロボット工学科 2年 宮崎 修太朗

 私はこのポートランド語学研修を通して、決して日本では得られない大きな学びを得ました。それは英語というものは「言語」である、ということです。当たり前のことのように思われるかもしれませんが、私が伝えたいのは、英語において第一に必要不可欠な要素は決して完璧な文法などではなく、相手に伝えたいことを伝える意欲であるということです。私はスピーキングよりもライティングやリーディングを重点的に学習するために学生に学ぶ学習時間に対して十分なスピーキング能力が伴わないということが日本の英語学習における最大の弱点だと考えています。そこで私は以前から自分のスピーキング能力を上げるべく動画などの様々な教材を用いて会話文をいかに正確に早く発言できるかを磨いてきたつもりでした。しかしながら、アメリカに3週間滞在してわかったことは言語的正確さというものは意思伝達においてさほどエッセンシャルなものではないということです。このことを教えてくださったのは誰よりもこの滞在期間時間をともにしたホストファミリーやその親族の方々でした。

 初めてホストファミリーのSallyとCraigに空港でお会いした時から別れるまでの3週間で、その気づきは顕著なものに変わりました。最初彼らと会話するとき、伝わるようになるべく正確な文を作ることを考えながら会話していたのでなかなかスムーズにいかず謎の間を作ってしまうことも少なくありませんでした。しかし、様々な現地の人々と会話を重ねるうちに、彼らはさほど英会話における文法に重きを置いておらず、それ以上に表情やジェスチャーをうまく使って円滑な会話を成立させているのだと気づきました。それにあたって自分の使う英語も少しずつ変わっていきました。例を挙げるならばDo you like 〇〇?よりもYou like 〇〇?といった簡単な省略に加えて表情を加えるイメージです。この気づき以降、自分の英会話の“ためらい”が一気に晴れ、以前よりもすぐに反応して会話できるようになりました。その点だけでも非常に有意義な研修だったといえます。

 他にも他大学の友達を作れたり、様々なアメリカの文化に触れたりととてもここには書ききれないほどのたいけんをさせていただきました。大変感謝しています。培ったモチベーションを武器にこれからも英語学習に勤しんでいこうと思います。ありがとうございました。

機械システム工学科 1年 山崎 敦也

 私は今回の研修で初めて海外に長期間滞在しました。そこでは多くの日本との違いを見つけました。

 一つは、感謝の方向の違いです。通学のバスでのことです。人が降りる際にThank you.というのです。勿論日本でもありがとうございましたと聞きますが、それは運転手がいうのであって、ここでは乗客が言い、運転手が言い返すというものです。これはバスに限らず、ファストフード店に行ったときにも商品を受け取った客がThank you.と言いました。日本では店員がありがとうございましたと言うはずです。日本では店員が客に、今回行ったポートランドでは客が店員に感謝をします。これはチップ文化も同じだと考えています。チップは金銭という形で感謝をしているのです。

 そして、生活様式も異なります。玄関は今回お世話になった家は靴を脱ぎましたが、靴を脱いでおく段差がありません。食事は野菜料理が少なく、焼き物やハンバーガーのような既製品が多かったです。お風呂はバスタブがありましたが、基本的にシャワーだけです。洗濯物は乾燥機で乾かすので、絶対に干しません。驚いたのは立地です。なんと山の斜面に建っていたのです。日本と違い地震が無いからです。休日にホストファミリーの孫のバースデーパーティーや映画を観に行きました。バースデーパーティーは大人数でピニャータと沢山の料理を楽しみました。映画館は日本のようにショッピングモールの中に在るのではなく、映画館だけで建っていました。

 ポートランドの街は東西南北に直線的に道路が引かれてあり、何処に居るのか分からなくなりそうでした。移動にはバスか路面電車を用いると便利でした。しかし、ホームレスや薬物乱用者は少なからず居た為恐怖を感じました。

 このように私は今回の研修で感謝の方向の違い、文化の違い、生活様式に違い、街並みの違いというように様々な違いを体験し、知ることができ、とても充実した研修でした。